
楽天銀行の海外送金手数料は、一律750円です。
「え、海外送金が手数料750円で出来ちゃうの!?」と思うかもしれませんが、残念ながら、実際はもっと多くの手数料を取られます。
海外の受取口座に着金するまでには、さまざまな手数料が発生します。
それらの1つには、表面上では分かりづらい「隠れコスト」と呼ばれるものも潜んでいます。
この記事では、楽天銀行の海外送金に関する手数料について、詳しく紹介します。
楽天銀行の海外送金の手数料まとめ
楽天銀行の海外送金では、単なる送金手数料だけでなく、さまざまな手数料が関わります。
これらの手数料も考慮しておかないと、予想外の総手数料を取られることとなり、面食らうでしょう。
送金手数料
まずは、楽天銀行の海外送金の売りでもある、一律750円の送金手数料です。
これは「送金そのもの」に対する手数料であって、「海外送金についての総手数料」を意味しません。
海外中継銀行手数料
楽天銀行の海外中継銀行手数料は、一律1000円です。
「国内の送金銀行」から「海外の受取銀行」へ送金する際は、複数の中継銀行(コルレス銀行)を経由します。
それなので、中継点の銀行に払う手数料が必要になります。
なぜ、わざわざ別の銀行を中継するのか。
それは、送金銀行と受取銀行が直接の提携を結んでいないからです。
たとえるなら、電車の乗り換えです。
互いに提携している銀行をいくつか経由することで、受取銀行への送金を実現しています。
円貨送金手数料(リフティングチャージ)
楽天銀行の円貨送金手数料は、一律3000円です。
円貨為替手数料とは、送金銀行の日本円を外貨に両替せず、日本円として受取銀行に送る際に必要となる手数料です。
なぜ、両替しないのに手数料が取られるのか。
外貨の両替しない送金の場合は、銀行側に両替手数料の利益が発生しません。
そのため、円貨送金手数料を設けていると言われています。
受取手数料
受取手数料は、受取銀行によって異なります。
受け取る人が負担することになるので、送金者には関係ないと思うかもしれません。
しかし、「留学費用の振り込み」や「子供の仕送り」のように、受け取り側が負担すると不都合な場合には、受取手数料を考慮して送金額を調整する必要があります。
楽天銀行の海外送金の隠れコストって何?
ここまで4つの手数料を紹介して来ましたが、実はもっと重要な手数料が隠れています。
それは、楽天銀行が設定している為替レートの上乗せ分です。
楽天銀行に限らず、海外送金サービスを提供している銀行では、通常の為替レートに「両替手数料と為替変動を考慮した数値」を上乗せしたレート(以下、上乗せレート)を採用しています。
たとえば、日本円をドルに両替して送金するとします。
上乗せレートを基準にして両替をおこなわれるので、実際の為替レートで計算するよりも、両替後のドルは少なくなります。
これが隠れコストです。
隠れコストは、両替量が多ければ多いほど増加します。
たとえば、為替レートを1ドル100円、上乗せレートを1ドル101円とします。
もしも100万円をドルに両替したならば、約100ドル(約1万円)の隠れコストが発生することになります。
基本的な手数料に加えて、隠れコストも考慮することで、はじめて正確な総手数料が把握できます。
送金額が多いほど、隠れコストに注意しましょう。
楽天銀行の海外送金のメリット・デメリット
楽天銀行の各種手数料や隠れコストは、重要な情報であるため、早めに紹介しました。
それでは、今度は楽天銀行の海外送金のメリットについて紹介します。
なお、楽天銀行の海外送金のデメリットは、これと言ってありません。
強いて言えば、この記事の最後に紹介する海外送金サービスと比べると、総じて手数料が高いくらいです。
ただし、手数料が高いというデメリットは、どの銀行の海外送金サービスにも共通します。
海外送金手数料が一律750円
先ほども触れましたが、楽天銀行の海外送金手数料は、一律750円です。
この手数料自体は、銀行の海外送金サービスとしては、格安の部類に入ります。
以下は、銀行系の海外送金サービスの中でも、送金手数料が安い方の銀行です。
これらと比較してみると、楽天銀行の送金手数料の安さが際立ちます。
送金手続きがインターネットで完結する
楽天銀行はネット銀行であるため、海外送金の手続きをインターネット上で完結します。
わざわざ実店舗の窓口に行く手間がありません。
24時間いつでも海外送金の手続きが可能
楽天銀行はネット銀行であるため、「窓口の営業時間帯」という概念はありません。
パソコンやスマホから、24時間いつでも手続きが出来ます。
取り扱っている通貨の種類が多い
楽天銀行の海外送金では、60種類以上の通貨に対応しています。
国際的なマイナー通貨を送金したい場合は、楽天銀行で取り扱いがあるか確認してみるといいでしょう。
海外送金シミュレーターが使える
楽天銀行には、海外送金の手数料などを計算できるシミュレーターが用意されています。
送金受け取り国・送金通貨の種類・送金する金額・海外中継銀行の手数料区分(送金者と受取人のどちらが手数料を負担するか)を設定できます。
ただし、受取通貨の種類(両替先)は設定できません。
シミュレーションを開始すると、手数料の明細・為替レート・着金までの所要日数の目安が表示されます。
このシミュレータは、楽天銀行の口座を持っていない人でも利用可能です。
楽天銀行の海外送金サービスの申込み手続き
楽天銀行の海外送金サービスを利用するためには、まずは楽天銀行口座を開設しておく必要があります。
海外送金サービスの利用手続きは、楽天銀行サイトにログイン後、海外送金ページの【新規お申込】からおこなえます。
申込みページでは、送金者の個人情報や送金目的などの入力していきます。
また、マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類の提出も必要です。
書類の提出方法は、楽天銀行アプリにて書類の撮影写真を送信するか、もしくは紙の書類を楽天銀行の窓口へ郵送するかの2種類から選べます。
楽天銀行アプリから書類を提出する方が手軽なので、そちらを選ぶといいでしょう。
実際に海外送金サービスが利用できるまでに、申込み完了から2~5営業日はかかります。
海外送金が必要になる時期が分かっているなら、早めに手続きをすませておきましょう。
楽天銀行以外のオススメな海外送金サービス3選
楽天銀行に限らず、銀行経由の海外送金サービスは、得てして総手数料が高くなりがちです。
外貨に両替して送金する場合は、送金量が多ければ多いほど、隠れコストは無視できない金額になってきます。
そこで、手数料の安さが魅力の海外送金サービスを3つ紹介します。
トランスファーワイズ(TransferWise)|総手数料の安さが魅力
トランスファーワイズは、オンラインの海外送金サービスです。
ユーザーマッチングと国内送金を軸にして、擬似的な海外送金を実現しています。
トランスファーワイズの海外送金の仕組みは、斬新であるために分かりづらくもあります。
そこで、具体例を挙げます。
日本にいるAさんは、円をドルに両替して、アメリカの銀行口座に送金することを希望しています。
アメリカにいるBさんは、ドルを円に両替して、日本の銀行口座に送金することを希望しています。
トランスファーワイズでは、まずはAさんとBさんのマッチングをおこないます。
次の段階では、Aさんは「日本にあるトランスファーワイズ口座」に円を送金して、Bさんは「アメリカにあるトランスファーワイズ口座」にドルを送金します。
最後に、Aさんが所有するアメリカの銀行口座に「アメリカにあるトランスファーワイズ口座」からドルが振り込まれ、Bさんが所有する日本の銀行口座に「日本にあるトランスファーワイズ口座」から円が振り込まれます。
結局のところ、やっていることは「国内間の送入金」です。
国際間でお金を渡しあっているわけではないので、中継銀行手数料や受取銀行手数料が発生しません。
また、トランスファーワイズの公式サイトでは、実際の為替レートを使っていると表記されています。
つまり、銀行のように上乗せレートで両替していないので、隠れコストが発生しません。
トランスファーワイズは、銀行系の海外送金サービスと比べると、総手数料が格安になります。
ワールドレミット(WorldRemit)|送金可能な国・通貨が豊富
ワールドレミットは、トランスファーワイズと似たような海外送金サービスです。
ただし、ユーザー間のマッチング形式ではありません。
トランスファーワイズよりも送金手数料が安く、送金可能な国・通貨が多いことが長所です。
その反面、為替レートが割高であり、総手数料はトランスファーワイズの方が安くなる傾向にあります。
また、サイト言語が日本語に対応していないことも欠点です。
送金先の国や通貨がトランスファーワイズで取り扱っていない場合は、次善の策として、ワールドレミットを利用するといいでしょう。
ペイフォレックス(PayForex)|大口の外貨送金が無料になる
ペイフォレックスは、銀行の海外送金サービスに似ていますが、各種の手数料が安いという点が特徴です。
たとえば、大口の外貨送金の場合は、送金手数料が無料になります。
ドルの場合であれば、5000~8200ドル(約55万~90万円)の範囲が該当します。
ただし、日本円の送金(円建て送金)には適用されないので、注意してください。
また、円貨送金手数料は、一切かかりません。
さらに、固定額2500円の着金額指定サービスを利用できます。
これは、中継銀行手数料と受取銀行手数料の合計金額が2500円を超えても、超えた分をペイフォレックスが負担するというサービスです。
留学費の支払いなど、着金時の金額が重要な送金では、特に役立ちます。
なお、送金手数料については、送金額に応じて上がる仕組みです。
日本円の送金の場合には、大口の送金でも無料になりません。
大口の外貨を送金したい場合には、ペイフォレックスを活用するといいでしょう。